―― 本当はもっと詳しくやることを考えていたものの、
―― 騎馬戦を重点的に見ていった方がよいと思い直した。
―― なので他の競技は適当に流します。
「ひどい話だ」
―― 午前の部、どの組も「近年まれに見る大接戦」という言葉が似合うっぽい。
「っぽいんじゃなくて本当に大接戦ですけど」
「おい、騒ぐな。食いもんを食う時間だ」
「もうちょっとマシな言い方できないの？」
「食べ物を食べる時間だ」
「まだ丁寧に言えると思うんだけど！！」
「食料に感謝し、ありがたくいただく時間だ」
「重すぎる！！！」
「ランチだ」
「軽い！！！！」
―― エネルギー補給もほどほどに、午後の部。
司会「次の種目はみなさんお待ちかね、3 年生の学年種目、騎馬戦」
「いよいよ、主役となるときが来たよ」
「俺も誇りをかけて戦うぞ」
「ぉ、珍しくマジメになったねぇ」
「ここでマジメにならない方がおっかしぃ〜よ〜」
「言葉と口調が矛盾してる！！！」
「なんてやってる暇はナッシング、いざフィールドへ向かわん」
「...なんか、マジメにはなってるんだけどそのなり方がおかしいと思う」
―― その予想通り、コイツはありえない方向へテンションが上がっていく。
司会「5 つの組すべてが一斉に戦います。
時間無制限、一つの組だけが残るまで続き、その残った組が 1 勝となります。
他のどの組よりも早く 3 勝した組が優勝です。
勝負は長くなるかもしれませんが、それが戦いというものですよね」
「司会ぃ！！非っ常に分かりやすい説明ありがとぉぉ！！
頑張るから！！俺ら頑張るからちゃんと見ててよ！！！」
司会「あ、はいぃ」
「よっしゃぁぁ！気合満タンであふれそうだわぁ！！」
「......」
―― 各組の勇士たちが位置につく。
担任「乗馬用意」
「この前の気合はどうした担任ぃん！！」
担任「......つべこべ言うなァ！乗馬だっつーの！」
「その意気を待っていたァ！！！」
―― 一瞬の沈黙の後、引き金は引かれた。
「行くぞコラ！手加減なしじゃ！！」
〜執筆後記〜
ある意味久しぶりなので、息を吹き返せたかどうか気になります。
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