24. 体育大会 - 騎馬戦 (2) -

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―― いわゆるツッコミの方がいわゆるキレた状態になって、
―― いわゆる騎馬戦でいわゆる本気を出し始めた。
「そんなにいわゆるいわゆる言わなくていいよ」
―― それはいわゆる命令か?
「あの、悲観的になんないでくれる!?」
―― なんてことだ。いわゆる冗談のつもりだったのに。
「もう何も言いたくねぇ...」
―― もういーわ、ゆるゆる続けるから。
「今さりげなく『いわゆる』っつったろ!!」
―― い、言ってないわゆる。
「無理矢理すぎる!!」
―― どこが無理矢理わゆる?
「それだと語尾に「わゆる」をつけてるだけみてぇじゃねぇか!!!」

「それはさておき、せっかくあいつが本気出してんだ。
 俺も本気出さないとカッコつかない」
―― (カッコつかない)。
「そのカッコじゃねぇ!!」

―― 開始から 30 秒。
「オラオラ!!邪魔だわ!!」
―― いつの間に、本気のツッコミ君は他の軍をなぎ倒している。
実況「おぉーっと、赤組の司会者がマジになっているぅ!!
   次々と騎馬が倒れています!!」
「あいつ、騎馬戦こんなに強かったっけ!!?」
実況「手元の資料によりますと、
   彼は全国騎馬戦選手権で日本一との...」
「へぇ〜。ってそんな大会あんのかい!!」
実況「...情報がありますけれども実際のところそんな大会は存在しないそうです」
「やっぱりィ!!」
実況「ってやってる間に、騎馬は残り 11 騎となりましたァ!
   赤組 6 騎、白組 5 騎です!!」
「そんなに倒したの!!」

―― 開始から 2 分。
「白組!! 1 騎消えてるじゃねぇか!!」
白組組頭「ああ」
白組団長「その通りだ」
白組騎馬軍団長「肩車だったんでな」
「肩車こそ強くなきゃいけねぇだろ!
 うちの肩車は無敗じゃわ!!」
白組騎馬軍団長「まぁ落ち着いて、赤組騎馬軍団長」
「なんで脱落したのさよ?!」
白組組頭「それはな」
白組団長「今から二十年前だ...」
「回想シーンになるわけねぇだろうがぁ!!!」
白組騎馬軍団長「ウソだウソ。普通に札を取られたのさ。
        あいつらはいわゆるスロー・スターターだからな」
―― いわゆる!?
「反応すんな!!!」
「そうか、なら第 2 回戦はさらに楽しませてくれるってわけか」
白組肩車の騎手「そうだ!」
白組肩車の下の人「俺らをナメんなよ!!」
―― フィールドの外から聞こえる勇ましい声。
白組肩車の下の人「つーか、『下の人』って何だよ!!ひどくねぇか!!?」
白組肩車の騎手「そうだ!!もっといい名前にしてくれよ!!」
白組肩車の下のほうの人「どれどれ......ってさらにひどくなってんじゃねぇか!!」
白組肩車の上のほうの人「落ち着けって......って俺もひどくなってるしぃ!!」
白組肩車の下のほう「おい!!せめて『背負う人』にしてくれよ!!!」
白組肩車の上のほう「ひどさ 100% 増量中じゃねぇかよ!!!」
白組肩車の下「直せー!!直せーー!!」
白組肩車の上「おいぃ!!話聞けぇ!!」
白組↑「...ちょっとぉ!!もう!!...」
白組↓「...落ち着け!俺は案外嫌いじゃない!!...」

白組騎馬軍団長「さ、再開しようか」

―― 再び大激戦を繰り返す両者だが、どうにも本気には見えないんだよね。
―― そして開始から 3 分。

「よっっしぃぃゃゃぁぁ!!」
実況「赤組、白組の団長の騎馬を崩し、第 1 回戦で勝利を収めました!!」
「みんな、よくやったよ」

白組組頭「大丈夫だよ。次は『フォーメーション R』でいくぞ」
白組団長「分かった。さらに『ウェイブ作戦掘戮盪箸う」
白組騎馬軍団長「なら絶対、『スピード・スピード』がぴったりだな」
白組肩車の騎手「そうくれば『ショルダー・アタック』も......」
白組騎馬軍団長「分かった、『ショルダー・アタック・ハイパー』を使えば勝てる」
白組肩車の下の人「ぇ、あの『ショルダー・アタック・ハイパー』を!?!?」
白組団長「お前らなら大丈夫」
白組組頭「ああ、保証する」

―― 堂々と作戦を大きな声で話し合っている白組、ボケてるのか本気なのか。

実況「それでは、第 2 回戦スタートであります!!!」

―― 第 2 回戦。
―― 先程と全く同じ展開、赤組、白組にやられた騎馬は数知れない。

「あいつらの作戦......」
「気付いたか?」
「もちろんよ。はったりだろ?」
「その通り、あれに惑わされる組もあったが、『今までは』何も作戦なんて実行してない」
「今からだな」
「ああ、俺らと戦うときのための作戦か、あるいは完全にはったりかだ」
「どっちにしても面白い」
「お、白が来るぞ」

―― 結果から言うと、もう少しのところで赤は全滅してしまった。開始から 4 分 50 秒のこと。
―― ともに 1 勝。勝負の行方は必ず先にある。

―― 第 3 回戦。
―― スロー・スターターである白組の肩車に赤組の肩車がやられかけるも、
―― 同時に札を取り取られ相打ち。肩車らしい名勝負を繰り広げた。
―― そして自分たちのペースを保ち、相手の作戦を読み切った赤が 2 勝目を挙げる。
―― 4 分 22 秒。

「言うまでもないけど...」
「落ち着いてろよ、ってか」

―― 第 4 回戦。
―― 疲れも見えてきた。
―― 体力的にも互角の赤白、たずさえる力は常に揺れ、一瞬の判断が生死を分ける。
―― 4 分 49 秒で、ほんの一瞬のスキを見逃さなかった白が 2 勝目。
―― 勝負は次に。

(正直、長期戦になるとこっちの分が悪いな)
(加減だ、加減)

―― 第 5 回戦。
―― 均衡状態を 1 分近く保ち思い切り正面衝突!!
―― 5 分を過ぎても 6 対 6 。助け助けられ 6 対 6 。

「気を持ち続けろ!!切らすんじゃねぇ!!」
白組騎馬軍団長「......っ、前へ前へだ!!」

―― 7 分。
―― どちらも騎馬軍団長を残し、闘いの結果を見守るものとなった。

「ぜってぇ負けんな!!お前がやることだぞ!!」
白組組頭「力出せ!!思い切りだ!!」


―― 騎馬軍団長は、気持ちで表れている。


白組騎馬軍団長「....................................!!!」
「少しは話そうぜ」


―― 8 分 36 秒。


―― 集中の末にスキが生まれてしまったそのときを待ちかねていたように、


―― 赤組騎馬軍団長は勝利の証となる白い札をゆっくりと手にした。


......


「調べたら、それまでの最長記録は 7 分ちょうどだって」
「そうか、疲れたな」
「結局騎馬戦優勝を勝ち取って、それっきりだったし」
「でも、騎馬戦を取れたというその事実だけで満足だよ?」
「俺のセリフ取んなよ」

―― 熱い闘いは幕を閉じた。

〜執筆後記〜
唐突に長編超大作です。
シーズンも終わってしまったので、次は何にしようかと思っています。

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