26. 合唱発表会 - 看板 (1) -

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―― ふたりの委員会としての最初の仕事は、
委員長「スローガンの看板造れ」

「よし、造ろう」
「スローガンってなんつーやつだっけ?」
「え、
 『歌え、ただひたすらに想いを奏でろ』
 by 手元の資料」
「熱いなスローガン」
「何に書くんだろ」
「看板担当の先生にでも聞くか」

―― 職員室へ堂々と進入。
「看板担当の先生いませんかー」
看板担当「職員室に入るときはまず名乗りなさい。そして尊敬語」
「チッ」
「舌打ちすんな!!聞こえるだろ!!」
「はいはい、えーと主人公の片割れですけど」
「普通に言えよ」
「看板担当の先生いらっしゃいやがりませんかー」
「尊敬語になってねぇよ!!!」
看板担当「さっきからいるよ、用があるなら早く来て」
「だったらわざわざ注意とかしなくてもいいじゃないすかぁ!!」
看板担当「チッ」
「あんたも舌打ちすんなって!!」

看板担当「で、去年作った看板があると分かりやすいんだけども」
「あ、探してきますか?」
看板担当「んーとねぇ、まぁ処分したからどうでもいいんだけども」
「じゃあ言わないでください!!」
看板担当「簡単に言うと、何かにスローガンを書くの」
「簡単に言いすぎです!!!」
看板担当「細かく言うと、植物の繊維を薄く加工したヤツに...」
「紙でしょ!!!その過程から言わなくていいです!!」
看板担当「スローガン書いて、ダンボールかなんかに『速乾性』ボンドで貼り付ける」
「なんで速乾性にこだわり!!?」
看板担当「去年ね、速乾性じゃないボンドでやったら、こう、ベタ〜ッと...」
「効果音いりません!!」
看板担当「てなわけで。書き方は見やすかったら何でもいいよ」
「分かりました」
看板担当「造る期限はそれを掲示するまで」
「......当たり前です!!!」
看板担当「じゃ、よろしくね〜。何かあったら呼んで、学校にいるから」
「......それも当たり前です!!!」

―― 『歌え、ただひたすらに想いを奏でろ』か。
「毎年こんなだよな」
「去年はなんだっけ」
「『ソングは我らの心だ』」
「ソング!!?なんで『歌』とかにしないの!?」
「知らねぇよ」

〜執筆後記〜
実際にそういう看板を作った経験から来てます。

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