43. 祭

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「また久し振りかよ」
「一ヶ月ぶりだね」
「今回はいわゆる文化祭の準備があって色々とねー」
「文化祭とか、中学んときは無縁の中の無縁」
「どんな感じなのか分からんね」
―― 俺分かるよ。
「どんな感じ?」
―― 前日まで衝突を繰り返しながら作業を進めていく級友たち、
―― 当日は大忙しで大仕事で大繁盛で大いに歓喜する級友たち、
―― 無事終わって後始末で一言「めんどくせぇな」と級友たち。
「最後で感動ぶち壊しじゃん...」

「原案出来た」
「見して」
「ほれ」
「......」
「......」
「ここのセリフ変えたほうがよくない?」
「どーゆーふーに?」
―― 何してんの?
「いやあのね、開祭式でクラスごとに PR するのね。特設ステージで。
 そんときに何言うか」
―― へぇ。
「PR はインパクトが無いと。覚えてもらわなきゃ来てもらえない。
 こんなんじゃ薄すぎる」
「じゃどーすんのさ」
「例えばよ、ここの『是非来てください』のとこあるっしょ。
 『是非是非来てください』に変えろ」
「是非増えただけじゃん」
「人間はな、言葉を繰り返して聞くと
 知らねぇうちに覚えちまうもんなんだ(どっかで聞いたことある)」
「だからって『是非』の部分だけ覚えてもらっても無意味だろうが!」
「例えばっつったじゃん」
「......」

放送「今日の準備は 7 時で終わりだぞ。7 時なったら帰れよ。
   ......あれ、今もう 7 時過ぎた?......
   ゴメン、7 時半でいいや」
「俺ら終わったし帰んねぇ?」
「こういうときは 7 時半までいるのがセオリーだ」
「何のセオリーだよ」
「いいか、『学校に遅くいる機会があったら極限まで居残れ!』
 俺の、座右の銘だ」
「うそつけ!!」

―― チャリ置き場。
「あれ、俺チャリどこに置いたっけ。暗くて見えねぇ」
「朝まで待てば分かるだろ」
「分かるけど待ちたくねぇよ!」

〜執筆後記〜
いわゆる文化祭は何かと大変です。
大勢の人間が一つのことを成し遂げるって簡単なことじゃないですね。

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