45. 妥協

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「んーと」
「十ヶ月半ぶりか」
「何してたっけ」
「あーっと冬はけっこー寒くて、春に進級して、徐々に蒸し暑くなってきた」
「はしょり過ぎだろーが。身近なできごと言ってくんねーかな」
「進級は身近なできごとじゃないんですか?」
「いや、それ以外」
「高校は義務教育じゃないんだぞ?」
「話聞けよ」
「じゃいつごろの話がいい?」
「んまあ、去年の秋あたりから言及すれば?」
「空白の期間の最初からってことな?」
「んまあ」
「まずよ、あー待ってめんどくさい」
「...まぁ、気持ちは分かる」
「妥協していい?」
「いいけども」
「てかそんな昔のこと言ったってしゃーねーじゃん」
「あーまーそれも分かっけど」



「思ったのがな、よくニュースとかでよ、
 『○○から一ヶ月』みたいなこと言うじゃない」
「まるまるってなに?」
「字の通り読むんじゃねーよ」
「で?」
「それってさー、なんかすげー最近みたいな感じすんのに
 もう一ヶ月も経ってんの?みたいな感じしねーもんなの?」
「するよ。てか『みたいな感じ』連呼すんなよ」
「悪りぃな」
「そーゆーさ、その『みたいな?感じ〜』みたいな感じの言葉ばっかり使うなよお前」
「お前も今使ったろうに。しかも俺今そんな感じで言ってねーだろーが」
「また言ってるし」
「うっせー」
「つーか話続けろよ」
「あーそうそう。だから『もうそんな経ったんだ〜』ってなっからって、
 地球的に考えて、人間はものを忘れるのが早いと」
「何地球的に考えるって。適当過ぎんだよ」
「悪りぃな」
「しかもいちいち謝りやがって」
「...」
「そこ謝れよ」



「最近授業中眠くて」
「お前それ前からだろ」
「あーそーなんだけど、ここんとこ特によ」
「睡眠取れよ。俺も八時間でも眠いぐらいだけどよ」
「でも授業終わったとき今日は絶対早く寝るってひそかに決意しといて
 んじゃ寝っかってときに結局日付変わってんじゃねぇかってなんだよ」
「超分かる」
「眠くても寝る気しねーとか茶飯事だぞもう」
「ま大丈夫だろってなんね?」
「なっから。分かっててやっから」
「うーわっ、ヤッバい妥協だわ」
「妥協し過ぎてもうね」
「でも妥協って必要っしょ?」
「んー必要必要」
「つーかもうあって然るべき的オーラ漂ってね?」
「漂ってる。リアルに」
「ほんとは妥協していいとこと悪りぃとこがあんだよ。
 話すと長くなっから妥協すっけど」
「妥協すんなよ」

〜執筆後記〜
このコーナーではお久しぶりです。
今後もネタがあれば書きたいところです。
長らくお待たせしすぎて「すみません」じゃすみません。

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